2009年05月06日

パ・リーグ公式戦マリーンズ対ファイターズ5回戦

 ボックススコア等、試合結果はこちら

 試合は三回表に二死一二塁から稲葉篤紀が左翼線へ2点適時二塁打を放ってファイターズが先制。稲葉はこの一打でプロ野球史上51人目の300二塁打を達成。五回裏にマリーンズは大松尚逸のバックスクリーン弾と里崎智也の2点本塁打で逆転。里崎の一打は角度が浅かったけどよく伸びて左翼席まで届いた。打撃不振中の2人だっただけに、これが復調のきっかけになって欲しい。六回裏に二死一二塁から里崎の左前打、今江敏晃の右前打と連続適時打。七回裏にも大松の左犠飛、そしてまたしても里崎の右前適時打で着々と加点。七回表にファイターズは坪井智哉の内角をうまく捌いた右前適時打で1点を返すも反撃はそこまで。7-3でマリーンズの勝利。

 六回表に先発の渡辺俊介が無死一三塁の危機を招いたが、この場面を引き継いだ伊藤義弘が無失点で切り抜けた。まずスレッジを遊直に。遊撃手の西岡剛が二塁の1m右に位置する極端なシフトが奏功し、普通なら中前の当たりが遊直になった。続く高橋信二も1-4-3の併殺に。ここで伊藤の送球が二塁手の根元俊一にワンバウンドで投じられたが、根元が冷静に処理して併殺を完成させた。ここをしっかり抑えきったことが一番大きかった。

 それにバレンタイン監督の継投が左打者のスレッジに伊藤を送ったり、坪井に適時打を許したあとのピンチでも稲葉にシコースキーを送ったりと、左右病じゃなくなっている。早めの継投といい、少し采配に変化がみられる。今後どうなるか少し気になるところだ。

 あとは絶不調だった大松と里崎。大松は1本塁打2打点、里崎は猛打賞で4打点。井口資仁が怪我で調子を落としてきているだけにこの2人が復調するととてもありがたい。

 ファイターズは週末にライオンズと3試合連続延長戦をやったのが響いているのかもしれない。この試合に登板した救援は宮西尚生、菊地和正、金森敬之。左腕の宮西はクロスファイアがいい軌道で決まっていたけど、菊池と金森は球が迫力不足に感じた。9連戦に加えて延長があれだけ重なると無理もないのかもしれない。

 それにしてもファイターズ打線の打率を見ているとよだれが出るほどうらやましい。この試合のスタメンで3割を切っていたのは田中賢介、紺田敏正、スレッジ、鶴岡慎也。9番の金子誠が4割打者。下で中田翔が本塁打量産中らしいが高橋信と小谷野栄一が好調なだけに上げても出番がない。結果的にビッグ3で一番出遅れた中田はちょっと運もないのかもしれない。
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2009年05月04日

関東大学サッカーリーグ第5節

【第1試合 明治大学対神奈川大学】

〈明治大学〉
GK 21 高木駿(2年)
DF 2  田中政勝(4年)cap
DF 24 松岡祐介(1年)
DF 4  吉田啓祐(2年)
DF 12 奥田大二郎(2年)
MF 5  宮阪政樹(2年)
MF 10 山田大記(3年)
MF 7  小林裕紀(3年)
MF 22 田中翔太(2年)
FW 9  山本紘之(3年)
FW 11 久保裕一(3年)

〈神奈川大学〉
GK 12 海野健介(4年)
DF 13 澁谷嶽(3年)
DF 15 佐藤貴則(3年)
DF 20 伊池翔吾(4年)
DF 3  佐々木翔(2年)
MF 7  吉田一樹(4年)cap
MF 6  内村淳(4年)
MF 8  郷内勇太(4年)
MF 29 工藤隼人(2年)
FW 19 木原将(2年)
FW 26 鈴木将也(3年)

 明治大は去年、橋本晃司という最大のグランパス要素があったからよく観に来ていた。だからある程度はやるサッカーと選手の顔も分かっている感じ。それにひきかえ神大は初めて観るチーム。ユニフォームがなんだかルコックのフットサルラインのデザインによく似てる。

 試合は去年の明治とは違う印象。卒業生がいるから当たり前なのだが、去年は1トップだったフォーメーションが今年は2トップ。関東大学サッカーの標準型、4-4-2の中盤がボックス型。去年は中盤やDFラインの裏へのスペースにうまく顔を出しながら足元でボールをもらってパスやドリブルで仕掛ける高機動型司令塔の橋本がいたが、今年はそういう選手が見当たらない。その代わりにサイドチェンジの多さが目に付く。

 そのサイドチェンジで顔を出して決定的な仕事をしていたのが右サイドバックの田中政。がむしゃらに前へ行って相手を押し込んでいくタイプではなく、タイミングよく前線へ顔を出してキッチリ仕事をして帰ってくるタイプ。この日は強風だったにもかかわらずクロスの精度もいいし、1対1の場面では積極的に仕掛けて抜く場面も。あとDFとしてのカバーリング能力や張り付いた相手への対応もねちっこくていやらしい。要するに神大の対面になった選手のことは圧倒していた。

 あとは久保と高木。久保は名古屋ユース時代からのポストプレーだけじゃなく、ドリブルで仕掛けられるようになっていたりDFラインの裏を臨機応変に狙ったりと確実に引き出しが増えている。現在リーグ得点王なのも納得できるが、なぜか昔からオレが試合へ行くとゴールを決めてくれない……。さらに高木、横の反応の鋭さとキックの飛距離は健在。向かい風なのに横振りのパントキックで平然と飛ばしていく。ノックバットでやってる外野ノックのように軽々飛ばすんだから恐れ入る。

 冬の高校選手権を制覇した広島皆実高で主将だった松岡。入学するなりいきなりレギュラーで活躍中。しかも試合中によく声を出して物怖じしてない様子。と思ったらセンターバックでコンビを組んでる吉田も2年生。やりやすそうな環境が思いきりのいいプレーに出ていた。

 一方の神大。フォーメーションも同様に4-4-2。FWの木原の運動量がすばらしい。前半の早い時間に窮屈な体勢から威力のあるシュートを打ったのだが、高木にかき出されてしまった。あとは7番の吉田。彼は見た目にも小さくプロフィルには身長160cmとある。が、アタッキングサードに顔を出すとワンタッチプレーでいい仕事をする。途中出場したFWの三平和司が湘南の強化指定になっていた選手のようで、ちょっとじっくり見たかったかな。

 試合は後半ロスタイムに三平が競ったボールを吉田が拾って右へスルーパス。そこへ郷内が走り込んで高木の左脇の下を抜くシュートでゴールへ流し込んだ。0-1で神大が勝利。

 正直、明治大は去年やってたようなペナ角からジグザグにボールを横へ動かしながら穴を探る動きができてない。中盤が1人減ってスペースでボールを受ける選手が減っている気がする。個人でいい選手が多いだけにこのままのサッカーだと残念なのだが……。



【第2試合 国士舘大学対筑波大学】
〈国士舘大学〉
GK 21 山田賢二(3年)
DF 2  天野恒太(4年)
DF 5  佐藤由将(4年)
DF 3  川邊裕紀(4年)
DF 7  大竹隆人(3年)
MF 10 柏好文(4年)cap
MF 34 佐藤優平(1年)
MF 22 塩谷司(3年)
MF 14 先崎勝也(4年)
FW 17 松尾昇悟(4年)
FW 19 田中俊哉(2年)

〈筑波大学〉
GK 1  碓井健平(4年)
DF 12 石神幸征(2年)
DF 3  作田裕次(4年)
DF 4  佐々木健将(4年)
DF 23 伊藤優太(4年)
MF 2  須藤壮史(3年)
MF 14 八反田康平(2年)
MF 10 小澤司(3年)
MF 9  森谷賢太郎(3年)
MF 8  大塚翔太(4年)cap
FW 13 岩永雄太(4年)

 筑波も去年はよく見てたチーム。名古屋ユース出身で名古屋に来るかも? と言われていた永芳卓磨(現FC岐阜)がいたし、西川優大(現FC岐阜)と木島悠(現清水エスパルス)の2トップはバランスがよくて2人で点が取れるFWだった。半分近いスタメンが卒業してどうなっているか。国士大も去年はスタメンがほとんど4年生。速くて高い位置でのプレスからボールを奪って攻める石崎柏レイソルのようなサッカーをするチームだった。はまると相手になにもさせないで勝つチームだけにどうなっているか気になる。それに去年のリーグ戦2位と3位の上位対決。前半戦の注目カードの一つであることには間違いない。

 国士大は布陣が4-4-2のボックス型。去年の激しいプレスが健在。奪ったあとにワンタッチプレーを繰り返してゴールへ迫る。ここも第1試合同様に2トップの運動量に頭が下がる。あれだけチェックをしてくれると2列目3列目の奪いどころがかなりできてくる。

 筑波大は関東大学リーグでは珍しい4-1-4-1の布陣を敷いてきた。中盤のアンカーに本職がセンターバックの須藤。10番の小澤がセカンドトップ気味まで上がったり2列目に戻ったりと比較的自由に動いている。それにしてもトップと2列目までの選手で一番身長があるのが岩永の175cm。あとは全員160cm台とか170cm前半。去年は中央に西川が構えていて力強さがあったけど今年はそういう感じはしない。岩永もワントップなのでポストプレーをこなすけれど、一番鋭さを見せたのが小澤のスルーパスに対する抜け出し。となると基本戦術は細かいパスを繋いでいくワンツー主体のサッカー。いい意味でも悪い意味でも漢気ワンツーサッカーが軸になってしまっている。

 前線もそうだが筑波はセンターバックも野本泰崇と田中秀人(共に現FC岐阜)という壁と言うべき選手が抜けた。けどしっかりと代わりが出てきてることに驚いた。野本の役割は作田が、田中の役割は佐々木がしっかりとこなしている。野本のスタジアム中に響くようなコーチングはないけれど、ガチムチ系DFの系譜はしっかりと作田へ受け継がれた。

 あと、今年も碓井の安定感は抜群。ギリギリまで待てる勇気、反応抜群のダッシュ力、あとキックの精度もよくなっているような感じがした。流経大の林が間違いなく今年のGK争奪戦の目玉になるだろうけど、碓井もプロ入りして活躍できるんじゃないかと思ってる。大学サッカーの領域ではこのキーパーに穴らしい穴を感じたことがない。

 試合は筑波大がゴール前の混戦で伊藤が押し込んで、その得点のまま0-1で試合終了。国士舘はちょっと核になるプレーヤーがいない印象だった。柏と大竹のボールの持ち方は面白いなと思ったので、また機会があれば観てみたい。
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2009年03月14日

2009 J1第2節 モンテディオ山形対名古屋グランパス

犬飼ちょっと来い.JPG

 選民主義でも何でもなくて、この日のNDソフトスタジアム山形にいた1万2千人強の人間は声高に「ふざけるな犬飼!」と叫ぶ権利が与えられたと思う。

【2009年J1第2節 モンテディオ山形対名古屋グランパス】
〈山形〉
GK 1 清水健太
DF 14 宮本卓也
DF 3 レオナルド
DF 23 石井秀典
DF 13 石川竜也
MF 16 キム・ビョンスク
MF 19 秋葉勝
MF 17 佐藤健太郎
MF 7 宮沢克行
FW 15 長谷川悠
FW 9 古橋達弥

〈名古屋〉
GK 1 楢崎正剛
DF 32 田中隼磨
DF 4 吉田麻也
DF 5 増川隆洋
DF 6 阿部翔平
MF 10 小川佳純
MF 7 中村直志
MF 14 吉村圭司
MF 8 マギヌン
FW 11 玉田圭司
FW 9 ダヴィ

 みぞれが降りしきる中でキックオフ。立ち上がりは山形が試合の主導権を完全に握る。中でもキム。足元にしっかりとボールを収め、大きく軸がぶれない体を使ってボールをキープして右サイドを起点に攻撃を仕掛ける。名古屋はそれをはね返してボールをクリアするも、佐藤と秋葉にことごとくボールをさらわれる。中でも秋葉、前節は大分に藤田が2人いたが、この試合では秋葉が2人いた。ちょっとはんにゃの金田に似てるがユースから叩き上げの選手。初めて見たけど攻守に秋葉が中心になってると、山形はすごくいいリズムが生まれるんだろうなと思った。

 名古屋が攻撃を仕掛けようにも山形はしっかりと守備ブロックを敷いて侵入を許さない。前節の大分戦によく似た相手に合わせてしまった攻撃しかできない。怪我明けの阿部も判断がまだまだ遅く、ドカンと逆サイドに蹴るサイドチェンジも見られない。阿部は次第に雪が強くなると、足元で踏ん張ってすべるのが怖いのか、しっかりと重心を落としてプレーができなくなってしまった。この雪で故障から復帰の試合にするのは少々酷だったかもしれない。

 前半20分までの山形の猛攻はほぼ楢崎が防いだ。古橋にはセレッソ大阪時代からやられたイメージしかなかったけれど、雪が強くなるにつれて動きが鈍くなっていく。前節爆発の長谷川もポストプレーは強くて性格だけど、前を向かせなければ得点の怖さはない。その辺は増川がよく頑張って自由にさせていなかった。キムに比べると左サイドの宮沢は思うように動けていない。後ろの石川からのフィードが正確じゃなかった分、いつもとリズムが違ったのかもしれない。

 名古屋は前半20分過ぎにようやくお目覚め。小川のオフザボールの動きと直志が前線に飛び出してマーカーを散らすと、下がってきた玉田や田中がフリーになり始める。しかし、ダヴィだけはレオナルドが密着マークをしており全くもって自由にプレーできない。

 そんなこんなで前半終了。ハーフタイムにはゴール裏の席から逆側のゴールがちゃんと見えないほどに吹雪く。そのまま後半開始。だから見えたことだけ書くと、玉田が雪の中でもドリブルキレキレ。途中出場の杉本も右サイドに張ってクロスを上げたときに効果が見込めないと思ったのか、ドリブル中心に仕掛け始める。ダヴィはレオナルドを振り切れない。阿部は効果的に動けないまま交代、小川が左SBに。小川に対するプレッシャーが減ったため、後ろから飛び出すことで余計に山形のマークが混乱し始める。けどダヴィはレオナルドを振り切れない。名古屋の惜しいシュートは何本かあったが、清水が割り切ってパンチングでセーフティに防ぐことを第一にしたためミスも見込めない状況に。最後は巻を入れてパワープレーを狙うも、慣れないことで点が入らずに試合終了。

 中2日後に中3日での試合、大雪、韓国から山形への移動、強風と寒さ。これだけの要素を考えたらよく勝ち点1でももぎ取れたな、と思う。こんなに序盤に雪国で、しかも吹雪の試合で当たってしまったことに運がなかった。と考えるべきなんじゃないか。



生カラーボール.JPG

 よもや始めて生でカラーボールを見せられると思ってもいなかったし。



生雪かき.JPG

 雪かきをハーフタイムにするとも思わなかった。



凍結師匠.JPG

 そりゃあ試合終了後に師匠も凍結しますよ。



ホーム開幕おめでとうございます.JPG

 とはいえ、J1ホーム開幕おめでとうございます。



瑞穂区役所も是非.JPG

 瑞穂区役所や中村区役所もどうですか?



オザケン主義.JPG

 右上にオザケン。



0(0_0)0←こういう顔文字に見える.JPG

 スコアボードが顔文字に見える。



J2への忘れ物.JPG

 J2の名残誤植も見られます。



お出迎えかお見送りを是非.JPG

 是非とも来年はスタジアム外でお出迎えかお見送りか、とにかく触れあえる時間を作ってくれ。一部の名古屋サポ相手に姿を見せるだけっていうのは殺生すぎるw



えらい.JPG


所に.JPG


来たもんだ.JPG

 翌日の帰りの奥羽本線車窓より。このときに本当にえらいところへ来てたんだと実感。
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2009年03月07日

2009 J1開幕戦 名古屋グランパス対大分トリニータ

やっぱ豊スタは登山でしょ.JPG


 開幕です。さぁ、最終節の続きをやろうじゃないか。長いこと空いたけどこれがセカンドレグだ、と言わんばかりの日程。大分相手で2009年の始まりです。

【2009年J1開幕戦 名古屋グランパス対大分トリニータ】
〈名古屋〉
GK 1 楢崎正剛
DF 32 田中隼磨
DF 3 バヤリッツァ
DF 5 増川隆洋
DF 2 竹内彬
MF 10 小川佳純
MF 7 中村直志
MF 14 吉村圭司
MF 8 マギヌン
FW 11 玉田圭司
FW 9 ダヴィ

〈大分〉
GK 1 西川周作
DF 22 上本大海
DF 6 森重真人
DF 25 小林宏之
MF 20 高橋大輔
MF 33 藤田義明
MF 3 ホベルト
MF 11 鈴木慎吾
MF 8 金崎夢生
FW 10 ウェズレイ
FW 13 高松大樹

 立ち上がりから主導権を握ったのは大分。ホベルトと藤田が献身的に中盤の名古屋のボールホルダーに当たってボールを奪い、そこから素早く仕掛ける。金崎は両サイドや中央を動き回り、場所を問わず起点になる。ウェズレイや高松にパスを当てて、それを金崎に落としてサイドに展開するパターンで名古屋ゴールに迫る。

 先制は大分。センターサークル付近で奪ったボールが右サイドライン際をフリーで駆け上がってきた高橋に渡る。中に絞っていた竹内の守備が間に合わず、ペナルティエリアへ向かってほぼ水平にセンタリング。ウェズレイと高松を見ていたバキと増川が押し下げられ、空いていた金崎にスッとボールが収まるとそのまま右足でシュート。一度はDFがブロックしたが、跳ね返ったボールがそのまま金崎の足元にそのまま収まり右に小さく振ってから2度目のシュートがゴールに吸い込まれた。

 ここから大分は守備時に金崎、ウェズレイ、高松以外が守備ブロックを敷き、名古屋の自陣への侵入をしっかりと待ちかまえる。前述の3人はDFラインやセンターハーフの中村と吉村にプレスを仕掛ける。この守備に対して名古屋はサイドから崩しにかかる。右サイドは田中を中心にペナ角までえぐりに行けるが、左サイドはスムーズにボールが回らない。高橋と藤田がうるさかったのもあるが、右アタックでは中村が上がってパスコースを増やしていたのに対し、左は吉村がカウンターケアを重視してなかなか上がっていかないのが原因の一つとしてあった。しかも、竹内は左足でボールを扱いたがらず、ほぼ確実に右足に持ち変える。よってボールタッチ数も増えてパス回しがよどむ。小川とマギヌンはいつも通り頻繁に入れ替わっていたが、小川が左にきたときはボールが足元にしか収まらない展開なので、フリーランやオフザボールの動きができずに苦労する。それに加えて、ドカンと大きく右サイドへ蹴る阿部の不在。中村は右サイドの展開にしか参加しないので、ボールが左に行ったらサイドチェンジがほとんどない。

 崩せないサイドアタックとケアされたカウンターの打ち合いで前半は終了。FW陣はダヴィに好機でボールが渡ったが、利き足に歩数が合わずにシュートが枠外へ。玉田もかなり引いてボールを受けてビルドアップに参加する機会が多く決定機は無し。ダヴィと竹内は交代した方がいいかも……、と思いながら後半開始。

 名古屋、大分共に交代は無し。そして、名古屋の修正個所は2つ。左右どちらのビルドアップや組み立てにかかわらず、センターは中村が上がり吉村が残る。ボールは中村が左右に振り、吉村が低い位置からでも縦パスにチャレンジする。

 この2つの修正で左右に淀みなくボールが回るようになり、藤田とホベルトのチェックをかいくぐり始める。で、代えた方がいいなと思っていたコンビから同点弾が生まれる。左サイドの竹内のスローインを受けてダヴィが右サイドからエリア内の深いところまで侵入。角度は30度も無かったが迷わずシュートを放って同点。かなり強引な形だったが、西川がボールを中央に弾いたときのために小川が走り込んで狙っていた。

 名古屋の2点目は中村と吉村の修正がキッチリと効いたゴール。右サイドでボールを受けたマギヌンが、ドリブルで鈴木慎吾を振り切ってからエリア内へグラウンダーの横パス。それをものすごい勢いで突っ込んできた中村が左へ流して西川を振り切ると、ここに走り込んできた玉田が左足ワンタッチでゴール。決めた瞬間の玉田の喜び様はいままでに見たことがないほど。中村が縦に出る展開が増えたことで、玉田が引いて組み立てに参加する頻度と距離が減った。だから、中村も飛び込んで来られたし、玉田もゴール前に詰めることができた。この2点目はお見事。

 大分の先制点の起点になり、守備でも攻撃でも運動量でうるさかった高橋が、この2点目の直後に赤紙1発で退場。竹内の右斜め後ろからのレイトスライディングにキレた高橋が、ファールのホイッスル後に竹内の胸をド突いて倒したことが原因。そのあと竹内もしっかりと黄紙が出てました。

 これで大分はセンターハーフの藤田を右に回して3-3-1-2にフォーメーションチェンジ。ここで追加点、放り込みどちらにも対応できるように(?)名古屋は運動量が落ちてきたマギヌンに代えて山口慶。その直後、ハーフカウンターになった名古屋はダヴィがボールを持つと玉田に一度預けて加速。玉田がタイミングを合わせてダヴィにスルーパスを出すと、ダヴィはボールを受ける直前にさらに加速して上本より半歩前に出る。ユニホームを掴んで止めにかかる上本を、体の軸をブラさず走って最後は左手一本で上本の両手を振りきる。そのまま西川と1対1を決めてダヴィ2ゴール目。なんというか、筋肉のゴール。どこかで見たことがある既視感にとらわれたのは、東京ヴェルディ戦を観たときに、必ずと言っていいほど決まっていたフッキのゴールに似てるからかもしれない。ディエゴからちょっと甘いか? という感じのスルーパスが出たときに寄せてきたDFをこともなげに振り切って決めるフッキ。あれに近い形。というか、名古屋のFWで筋肉ゴールを決める奴を久しぶりに見た。多分、ウェズレイ以来じゃないか?

 その直後にセットプレーで棒立ちだったところにウェズレイにヘディングを決められるも、ダヴィに代えて杉本を投入し、大分DFの裏を狙い続ける牽制をしながら試合を畳んだ名古屋の勝利。最終スコアは3-2。竹内は途中で脚が攣りかけたので吉田麻也と交代。このときに一時的に左SB増川が観られましたぜ? お好きな方々。

 ゴールを決めた2トップ、キッチリと修正してきたムラムラコンビ、これ以外に素晴らしかったのは田中隼磨。とにかく走る、サボらず走る。しかも90分経ってもスピードと量が落ちない。あれだけずっと右サイドで上下動を続けられるのと、試合終盤にはカウンターに参加して前線に顔を出し、さらにシュートまで撃つんだから恐れ入る。頭も下がる。なるべく早い段階で『人間発電所 田中隼磨』のゲーフラを作ります。日立台にはなんとかして間に合わせたいなぁ。



 試合前にも少しだけ確認したのだけれど、ハーフタイムと試合後に改めて再確認。



ぐはっ、驚きの白さ!.JPG


 師匠、キレイになりました。しかもフカフカのモフモフです。毛が1.5倍くらいに伸びてます。まるで買ったばかりの絨毯(ry



獲物を狙うポーズ.JPG


 どうやら聞いたところでは、チームの鹿児島キャンプに合わせて指宿温泉でリフレッシュしてきた模様。視線の先には怯える幼児がいてそれを狙ってますw



長くなってないですかねぇ?.JPG


 あと、背ビレカッターが長くなってないですか? オレの気のせい?



この段差は何度見てもエグい.JPG


 冒頭の写真を撮るために恒例の豊スタ登山。後ろの人のつま先が前に座った人の肩胛骨辺りにくるこの斜度はやはりスゲェ。



旗が完成しました.JPG


 ゴール裏用の振り旗が完成。試合前にウルトラさんが配って、帰りに出口で回収するシステムです。



欽ちゃん?.JPG


 このピクシー、オレの位置からは角度的に欽ちゃんにしか見えませんでした。



短パン裕二さん.JPG


 お好きな方にはたまらない短パン裕二さん。



もっさり改め.JPG


 もっさり直志がちょっとだけサッパリ。



ブロッコリーヘッド.JPG


 けど、なんかこの髪型はブロッコリーに見えるw
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2009年03月01日

イースタン教育リーグ開幕戦 ファイターズ対マリーンズ +カオス

鎌ヶ谷へようこそ.JPG


 小雨降るなか鎌ヶ谷へ。きょうからイースタン教育リーグがスタート。小熊が餅を蒔いたり、屋台もいろいろ出るっていうんで、鎌ヶ谷ファイターズタウンまで行ってみました。相手も浦和マリーンズだったしね。



カビーのポンチョ姿.JPG


 到着したときはまだ雨が降ったり止んだり。カビーもきょう発売の鎌ヶ谷ポンチョを着てお出迎え、というか営業。



生書き初め.JPG


 カビーが書いたスプレーアートの垂れ幕に、最後はみんなの前で最後の筆入れ。完成品が冒頭の写真です。



 とまぁ、こんな感じでイベントごととなると本当にお祭り騒ぎになる鎌ヶ谷。このころには雨も降り止んで……というか雨が止まないと筆入れも中止になるところだった、危ない危ない。

 きょうのイベントのタイムスケジュールや、どんな催しがあるのか案内のボードも出てる。どれどれ、と思い見てみると……。



!?.JPG






!!?.JPG


!?




 あれ? オレ、野球場に野球を観に来たはずなんだけど……。何これ? 久々に何かカオス的なものを感じる。ハジケルジャクソン以来の妙な空間になりそうなのを感じる。とりあえずきょうも例のモノを持ってきていたので、



持たせてみたw.JPG


 とりあえず持たせてみた。うん、この写真は間違い探しみたいだ。いろいろおかしい。



 その後もドナルド・マクドナルドこと某動画サイトの教祖様の動向をいろいろ見ていると、
「ねぇねぇ君たち、何してるんだい?」
「ふ〜ん、そうなんだぁ〜」
「じゃあね〜」
こんな感じでありとあらゆるモノに興味を示しつつ、一度食いついたらほっぽり出して違うところへ行く。これを繰り返す。なんというか……、無責任にみんなとふざけてる感じ。ドナルドはマスコットじゃないが、こういうスタンスのキャラは初めて観た。



 試合開始前には、

トルネードで.JPG


始球式.JPG


 トルネードで始球式。しかもストライクでやんの。しかし某CMではアンダースローだった気が……。



 とまぁ、異常な空間でした。肝心の野球はといえば、二軍の試合にしては珍しく締まった投手戦。主役はお互いのチームに1人ずつ。



豊島明好.JPG


 ファイターズ2番手の投手豊島明好。初めて観る投手だったので選手名鑑で調べてみたら北陸大谷高校からきた2年目の左腕だそうだ。プロフィルには身長169cmとあるけど実際にはもっと小さいような……。投球はといえば、ハーフスピードの直球とカーブ、スライダーを交えた軟投派。しかし、このカーブがしっかりとブレーキの利いたスローカーブで、しっかりと低めにコントロールされて決まる。これと低めを丁寧に突く直球を組み合わせたコンビネーションが投球の軸。直球は本当に速くはないのだが、スローカーブが“遅い"からすごく速く感じる。結局、マリーンズの打者はどちらにも的を絞れず、スルスルと3回を無失点。知らなかったんだが、昨季はワンポイントとして一軍も経験しているとか。典型的な打たせて取る投手だから、もしかしたら先発の方が面白いかも。



下敷領悠太.JPG


 お久しぶり、下敷領悠太。こちらも3回1/3(もしかしたら2/3かも)を無失点。高めの直球で釣ってからシンカーを引っかけさせる投球がはまった。しっかりとまとめて結果を出したんだけど、写真のようにリリースでものすごくアゴが浮くのが気になる。



おかえり内.JPG


 マリーンズは怪我人が帰ってきてる。青野が指名打者で出場。内も抑えで登場。おかえりなさい。いまは投げられるのを観られれば十分。だけど、今季中に何かしら一軍で結果を出さないとヤバイかも。このところフロントがドライだから……。



杉谷拳士.JPG


 最後に野手。今年のルーキーファイターズの杉谷拳士。入団のときに親父さんがボクシングの元フェザー級日本王者ってことで話題になった彼。名鑑を見たら帝京高の遊撃手だったようだが、この試合では遊撃に飯山が居たので三塁に。とはいえ足が速くて守備範囲が広いのは三邪飛の処理でよく分かった。両打ちでアスリートタイプに見える。森本のときといい、ファイターズは身体能力がある選手が好きだな。打てれば面白い存在になるかも。
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2009年02月28日

2008-09 ラグビー日本選手権決勝

【ラグビー日本選手権決勝】

〈三洋電機ワイルドナイツ〉
1 PR 川俣直樹
2 HO 山本貢
3 PR 相馬朋和
4 LO 劉永男
5 LO D・ヒーナン
6 FL K・ブラック
7 FL 若松大志
8 NO8 ホラニ龍コリニアシ
9 SH 田中史朗
10 SO 入江順和
11 WTB 三宅敬
12 CTB 榎本淳平(cap)
13 CTB 霜村誠一
14 WTB 北川智規
15 FB 山下祐史

〈サントリーサンゴリアス〉
1 PR 林仰
2 HO 青木佑輔
3 PR 畠山健介
4 LO 早野貴大
5 LO 篠塚公史
6 FL H・ティーポレ
7 FL 上村康太
8 NO8 竹本隼太郎
9 SH 田中澄憲
10 SO 曽我部佳憲
11 WTB 小野澤宏時
12 CTB R・ニコラス
13 CTB 山下大悟(cap)
14 WTB 北條純一
15 FB 長友泰憲

 今季最後の大一番。日本最高峰のリーグ覇者が残念ながら不在になってしまったが(それにしても廃部にならずによかった)そのチームとほぼ互角の2チームがしっかりとのし上がってきた。

 トップリーグと違い、日本選手権は外国人枠が2つ。とはいえワイルドナイツは劉とコリニアシは外国人枠外なので出場できる。だが、司令塔のトニー・ブラウンは不在。1ヵ月前のMS杯決勝で見たときは万全でなかったので、これはこれで外国人枠にかかわらずスタメンは変わらなかっただろう。

 一方のサンゴリアスはFBの有賀不在くらいか。その有賀もベンチに控えており、元申騎や平浩二といった流れを変えられる選手もいる。

 試合は静かにスタート。次第にサントリーがスクラムとラインアウトで主導権を握り始めると、固く試合を進め始める。相手陣内ににじり寄ってはPKをニコラスが決めて帰ってくる。サンゴリアスは25分過ぎに左サイドで大きく進めて、竹本が8単で突っかけていったのだがオフサイド。この場面以外は攻め急ぐ素振りすら見せなかった。しっかりと先制をして、固く1トライ1ゴールの射程圏外でラグビーをしようという姿勢が出ているように感じた。しかし、自信のあるプレーは積極的にかましてくる。ニコラスの力強い突進や、スクラムやラインアウトでは逆サイドの大外に長友を張らせて曽我部が長い距離のキックパスを出すなど随所にらしさは見せる。特にキックパスは前半の早い段階できれいに通したため、長友が張り出すとどうしてもワイルドナイツの三宅も守備のために引っ張り出され、DFライン自体を長くさせる効果があった。

 ワイルドナイツはといえば、CTBコンビの榎本と霜村、それにブラックと若松のフランカーコンビを中心にひたすら耐える。この4人が攻撃に転じることはまずなく、オフェンスは入江が舵取りをしつつホラニドラゴンが仕掛けていく感じ。三宅や北川にいい形でボールが入らず、山下も曽我部の飛距離があるキックの守備に手一杯。したたかにじわじわとサンゴリアスが優位に進め、9-3で試合を折り返した。

 このままじゃ、局面局面で手堅く判定勝ちのような展開で進めてくるサンゴリアスに真綿で首を絞められるように試合を畳まれる、と感じていたのだが、終わってみればゲームプランはサンゴリアスではなくワイルドナイツの描いたとおりに進んでいた。

 ワイルドナイツは後半10分ほどに山下を吉田尚史に、後半15分ほどに山本を堀江翔太、ブラックを川口大、榎本をトニー・ブラウンに交代。ブラウン以外は交代者と同じポジションに入り、入江がCTBにずれてSOにはブラウンが入る。これによってハーフとバックスは田中史を頂点にブラウンと入江のフライハーフが控え、霜村、三宅、北川、吉田のそれぞれタイプの違う高速バックスという超攻撃型にシフト。スタンドでたくらみ笑いをしながら親指を下に向けてゴーサインを出す飯島監督の姿が頭に浮かんだ。

 そして後半20分、ワイルドナイツがスクラムラックを連取しサンゴリアスゴールへ迫る。残り5mのラックから出たボールをブラウン速くて長距離の飛ばしパス。それを受けた霜村がパスダミーでマーカーを振り切ると、ヘルプに飛び付かれた瞬間に空いた吉田へパスしトライ。コンバージョンを入江が決めて9-10と逆転に成功。この一撃で完璧にワイルドナイツが主導権を握った。最終的に9-24でサンゴリアスに追加点を取らせずにワイルドナイツが選手権を制した。

 ワイルドナイツはブラウンに加えて三宅、北川、吉田が揃ったときの攻撃力がすさまじい。それに加えてブラウンと入江の決定的な違いがその3人に対して生きる。それはハイパント。きれいなバックスピンで高く上がって味方にボールが戻ってくるハイパントはゲインをするための大きな武器になった。

 サンゴリアスの曽我部も日本人離れしたキックの飛距離とハイパントの高さがあるんだが、精度という点で全て宝の持ち腐れになってしまった。3度ほどドロップゴールを試みたのだが全て大きく外してしまい、加点することができなかった。アレがきれいに決められるようになれば、サンゴリアスはいくらでもノートライで勝てるチームになるのに……。

 日本選手権はビデオマッチオフィシャルがないからか、ワイルドナイツ2つ目のトライ、インゴールノックオンが見逃されてしまっていた。15人対15人の試合を裁く審判が3人というのは少ない気がする。しかもラグビーはサッカーと違い、人が密集になるからレフェリーの死角が多い。試験的に導入されたビデオマッチオフィシャルだが、定着させていいと思う。
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2009年02月01日

ラグビートップリーグプレーオフトーナメント マイクロソフト杯準決勝

【全国クラブラグビーフットボール大会決勝 タマリバクラブ対駒場WMM】

<タマリバクラブ>
1  PR  岩下剛史
2  HO  石川悠久
3  PR  小川弘道
4  LO  小泉康治
5  LO  井戸聞多(Cap)
6  FL  桑江崇行
7  FL  小山陽平
8  NO8  棚橋建太
9  SH  石橋章匡
10 SO  竹山将史
11 WTB  高木亮輔
12 CTB  羽田一生
13 CTB  宮原克典
14 WTB  中村浩太郎
15 FB  飛野達

<駒場WMM>
1  PR  泉雄大
2  HO  酒井歩(Cap)
3  PR  鈴木靖人
4  LO  松岡拓
5  LO  大塚昂
6  FL  山崎真二朗
7  FL  田中一圭
8  NO8  山崎純
9  SH  佐藤新
10 SO  森山秀一
11 WTB  亀岡信二
12 CTB  小森允紘
13 CTB  堂原壌治
14 WTB  本間直
15 FB  林周一郎

 MS杯準決勝の前に行われた全国クラブラグビー決勝。トップリーグ系列に所属しないクラブチームのための全国大会。平たく表現すれば、“草ラグビー最強決定戦”。これを制すればトップリーグ、大学も参加する日本選手権への出場権を得ることができる。

 そこへ駒を進めてきたのが『タマリバクラブ』と『駒場WMM』の2チーム。タマリバクラブは早稲田大OBが中心になって設立されたチームで、クラブチームの名門。どのぐらい名門かといえば、今大会5連覇中。ここ数年他の追随を全く寄せ付けていない。一方の駒場WMMは2003年に東大ラグビー部OBを中心に設立され、今季に東日本トップクラブリーグに昇格してきた新興勢力。そのリーグ戦では54-10、その後の決勝トーナメントでは34-16。いずれもタマリバが勝利している。

 試合前のスタメン発表でタマリバのLO井戸が紹介されたとき、『みのもんた』の発音で『いどもんた』とアナウンス。一瞬、スタジアムがざわつく。駒場のスタメン発表後のベンチメンバーアナウンスのときに『おかもとなつき』が居て、このときもスタジアムがざわつく。お互いにいいジャブが入ったところで試合開始。

 試合は駒場が5番大塚のトライで先制、さらにキックチャージからのターンオーバーを生かして11番亀岡が追加点のトライ。トライ後のコンバージョンも決まって0-12。しかし、タマリバがここから立て続けにトライとコンバージョンを成功させて21-12で前半終了。後半もこの勢いのままたまりが場得点を重ね、最終的に64-17でタマリバが6年連続日本選手権へ進出を決めた。

 駒場は、この時期の秩父宮によく吹くメインスタンド左から右への強い風を生かして最高の立ち上がりを見せたが、自力で勝るタマリバに押し切られた。やっているラグビー自体は悪いラグビーではない。オフェンスは神戸製鋼の連覇を阻んだときの東芝府中のラグビーに近い。ペナルティ後にすぐ再スタートを切り、ノット10mバックや他のペナルティを誘発させて守備を後手後手に回らせ、前へ前へ走り続けるラグビー。まだ早稲田大が清宮スタイルになる前、明治大と切磋琢磨をして“フォワードの明治”と“バックスの早稲田”と呼ばれていた時代の早稲田大もこのスタイルだった。理論上はこのラグビーはかなり有効なのだが最大の欠点がある。それは選手が常に全力で走らねばならず、笛が鳴ってもすぐに再スタートを切るため休む時間がない。当時の東芝府中でさえ、勝負所での仕掛けは最大で15分保たなかったくらいだと記憶してる。案の定、駒場も前半途中の10分程度で足を使い切ってしまった。後半開始前に控え室から出てきたとき、すでに足が攣りかけて必死に伸ばしている選手もいたほど。普段は別の仕事があり集まって練習できる時間も限られるであろうクラブチームで、このスタイルを貫くのは無理があるように見えた。

 一方のタマリバはスタンダードな昔の社会人ラグビーのスタイル。接点で強く、しっかりとコンタクトしてキッチリボールをキープ。それを繰り返してゲインを続け、バックスが相手のDFラインを切り裂いてビッグランを生むのを待つ。固いラグビー。試合運びも危なげなく、点差そのままの力を出し切った。

 タマリバと駒場、個々の選手の実力の違いはあるが、それ以上に最大の違いがあった。それはプレースキッカーの差。タマリバのキッカー9番石橋は、「こいつは難しい」ってキック以外は決められる。しかし駒場のキッカー15番林は「これは決めてくれよ」ってキックも外してしまうことがあった。ゴールがないとプレースキックの練習はできない。日本にちゃんとラグビーゴールのある練習場がいくつあるだろう? もしかしたらその差なのかもしれない。

 目に付いたのはタマリバ5番の井戸と駒場2番の酒井。奇しくも両主将だが、お互いにしっかりとボールを前にゲインしていけるキープレーヤーだった。



【トップリーグプレーオフMS杯準決勝 東芝ブレイブルーパス対神戸製鋼コベルコスティーラーズ】

<東芝ブレイブルーパス>
1  PR  久保知大
2  HO  猪口拓
3  PR  櫻井寿貴
4  LO  渡邉泰憲
5  LO  大野均
6  FL  スティーブン・ベイツ
7  FL  中居智昭
8  NO8  豊田真人
9  SH  吉田朋生
10 SO  デイビッド・ヒル
11 WTB  仙波智裕
12 CTB  オト・ナタニエラ
13 CTB  冨岡鉄平
14 WTB  廣瀬俊朗(Cap)
15 FB  吉田大樹

<神戸製鋼コベルコスティーラーズ>
1  PR  平島久照
2  HO  松原裕司
3  PR  山下裕史
4  LO  林慶鎬
5  LO  アダム・ウォレスハリソン
6  FL  ジョシュ・ブラッキー
7  FL  伊藤剛臣
8  NO8  パスカ・マパカイトロ
9  SH  後藤翔太(Cap)
10 SO  菊池和気
11 WTB  濱島悠輔
12 CTB  山本大介
13 CTB  今村雄太
14 WTB  大畑大介
15 FB  陣川真也

 ブレイブルーパスはリーグ戦首位でプレーオフに進出。だが、シーズン中に唯一の黒星を付けられた相手がこのスティーラーズ。しかも、今季のトライ王のクリスチャン・ロアマヌが出場停止。っていうか累積警告で出停があるなんて初めて知った。どうやらシンビンのイエローカード3枚で何らかの処分がある模様。

*********************************************************************
第11条〔一時的退出(シンビン)・退場の処分内容〕
トップリーグでは、IRBルールに基づきプレーヤーの処分内容を以下のとおり定める。
−イエローカード−
2.同一シーズン中に、一時的退出の3回目の宣告をされた場合、当該プレーヤーは、3回目の宣告をうけた試合終了後、表彰懲罰委員会にて制裁される。
(選手のうけたイエローカードが3枚累積した場合、その場で退場とはならないが、表彰懲罰の対象となる。)
*********************************************************************

 というわけで、制裁決定機関の委員会があるので処罰は一定じゃない模様。ちなみにロアマヌはこの準決勝のみの出停で済んだようだ。

 ロアマヌの欠場を受け、本来CTBの仙波をWTBへ出してオトを代わりにCTBへという方法をとったブレイブルーパス。ブラッキーや伊藤の突破を止めるのに仙波が外にいて大丈夫か? というのと、大畑はちゃんと故障が治っているのか? というのがメンバー表を見ての感想。いつの間にか全国クラブ大会決勝中に吹いていた強い風が収まってきている。

 試合は26-7でブレイブルーパスが勝利。内容でもスティーラーズを圧倒した。大きなポイントは2つ。大畑の負傷退場と2回のスティーラーズのシンビンだ。

 まず大畑。前半開始早々の6分に相手を追いすがりながら低いタックルをした際に左腕の肘か肩(後に左肩と判明、しかも昨年末の練習中に負傷して強行出場を繰り返していた模様)をやってしまい、そのまま小笠原仁と交代。これで濱島&大畑の快足両翼のバランスが悪くなってしまった。とはいえ、濱島も明治大のころの目を見張るようなスピードでの突破がほぼ見られず。あれだけ大学時代に縦への推進力があった今村が、2年目でもあれだけ苦労しているのだから推して知るべしなんだろうが……。

 2つ目のシンビンは前半25分の伊藤と後半15分の山下。共に注意があったあとにオーバーザトップを繰り返したのが原因と思われる。しかし、この試合でスティーラーズFW陣がオーバーザトップになるかならないかギリギリのアプローチを繰り返して、ブレイブルーパスの攻めのリズムを狂わせていたのも事実。トップリーグ最終節の対ワイルドナイツ戦で、ブレイブルーパスは密集からの速い球出しでリズムを作り、DFラインにトップスピードでアプローチし続けることによって確実なゲイン、そしてビッグランになる突破を生み出していた。それが球出しのタイミングを狂わされてバックスが思うようにスピードに乗れなかった。前半は12-0で2トライを決めて折り返したが、この2トライはいずれもヒルの個人技が生み出したもの。チームで取れたトライではなかった。シンビン2回はいただけないが、密集内のインサイドワークでブレイブルーパスを苦しめたのも事実だった。

 スティーラーズはリーグ戦でブレイブルーパスに勝ったりしていながらも、下位相手に取りこぼしたりもしている。今季はスティーラーズをこの試合で初めて見たのだが、その強さのムラを理由を探るのがこの試合の目的だった。分かったことは、恐らく相手陣内22mライン付近での仕事は恐ろしく上手いだろうなということ。あくまでこれが推測でとどまるのは、スティーラーズが相手陣内でほぼプレーできなかったこと。ブレイブルーパスがスティーラーズ陣内でプレーすることが多く、2回のシンビンも重なってなすがままに……ってのが試合全体の流れだった。

 久しぶりに見たスティーラーズの後藤は、いつの間にか主将に……。入団当時から曲者的な嫌らしい動きとハイパントを蹴ることができるのが長所だった。いまもそれは変わらない。そして欠点も変わってなかった。ボールハンドリングの拙さと視野の狭さ、そしてパスが浮くこと。同い年の吉田朋は目を見張るほどこのSHの基本が改善されたのに、なぜ後藤は……。そして比べると酷なのだろうがヒルと菊池の10番同士も差が大きかった。菊池を見るたびに、日本人離れしたキックの飛距離があるんだから精度さえよくなってくれば、と思ってしまう。ヒルはキック多様のフライハーフじゃないけれど、それでも要所のキックはきれいにまとめてくる。

 ブレイブルーパスが前半リードで折り返せたのはヒルの技術のおかげ。1つ目のトライは残り10mでゴール右45度くらいの位置での密集で、展開したパスを一番外側のオープンな位置で待ちかまえていたヒルが飛び込んで生まれたもの。2つ目はスクラムを押し込んで吉田朋がタイミングよく出したパスに、ヒルが上手く体を回転させながらタックルに来た相手を2人いなして片手で押し込んだもの。いずれのプレーもWTBとCTBのプレー。きっとやれと言われれば、きっと10番から15番までこなせるだろうな。

 来週の決勝はブレイブルーパスと、花園でサントリーサンゴリアスを下してきた三洋電機ワイルドナイツ。最終節の首位争い再びである。ワイルドナイツは絶対的司令塔ブラウン不在も、入江がその穴を埋めるキック成功率8/9で勝ち上がってきた模様。ホラニドラゴンとダニエル・ヒーナンも怪我から帰ってきたようだ。昨シーズンは全勝でリーグを抜けたワイルドナイツがプレーオフでブレイブルーパスに苦杯を飲まされた。今季はワイルドナイツがリーグ最終節で全勝を阻まれ、昨季とは逆の展開だが果たして……。

 ラグビーの試合は写真ないってばよ!
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2009年01月18日

ラグビートップリーグ2008-09最終節

【第1試合 NECグリーンロケッツ対福岡サニックスブルース】
 トップリーグ6位以内を確保して日本選手権への出場権を確保したいグリーンロケッツと、この試合に勝って上位の動向次第だが下部リーグとの入れ替え戦を回避したいブルースの一戦。グリーンロケッツは大黒柱の箕内が不在。ブルースも司令塔のヴァレンスがベンチスタート。この大詰めの最終節ともなれば、怪我人を抑えてきたチームや層が厚いチームこそ自力があるというもの。
 久々にグリーンロケッツの試合を観る、しかもヤコの出ている試合を。ヤコも03-04シーズンに来日したはずだから、もう6シーズン目。来日当時と変わらずSOを務めて、しかも守備時にはFBに近い位置で攻守両面において獅子奮迅の働きをいまでも続けていた。しかし、やはり昔よりもプレーに精彩がなくなっているように感じてしまった。具体的にはボールハンドリング。つまらないところで、あれ? と思わせるようなファンブルが多かった。それでも衰えが一切ないものもある。それはパントキックの飛距離と軌道。きれいなスクリュー回転で空気を切り裂きながらゆうに50〜60mは飛んでゆく。来日して最初にオレが観た試合で、ハーフウエーラインからのPGをゴールバーにぶち当てて決めたのを思い出した。
 試合は一進一退。前半は17-18でブルースがリードして終える。しかし、ブルースは右CTBのフィフィタを守備ではCTB、攻撃ではWTBと使い分けていたので後半20分過ぎに完全にバテてしまう。ここでグリーンロケッツがSHの藤戸恭平を辻高志に代えると攻撃のリズムが一変。ワイド展開志向が縦へ速い展開になり、ブルースは防戦一方に。後半に2トライを挙げてリードしていたのだが、その貯金を使い切り、再び29-30の1点差まで迫られる。ここまでグリーンロケッツFBの松尾健はキック成功率2/5。正直、簡単に見えるキックを外すなど、この試合において決していいキッカーではなかった。だがラストワンプレーで得たPK。位置はゴール右30度でほぼ10mライン上。ブルースもゴール前でリフトの体勢で準備し、弾道が低ければはたき落とす構えでいたが、ボールは無情にもその上を越えていった。逆転のPG成功で32-30。グリーンロケッツが勝利し、日本選手権出場枠を確保。ブルースは入れ替え戦を回避できなかった。
 この試合で気が付いたけれど、ブルースにオレの高校の後輩がいた。なので来季はなるべくブルースの試合を追いかけてみたいと思う。オレの母校のようなボンクラ丸出しでラグビーも弱い高校からトップで頑張る選手が出てくるなんて思いもよらなかった。応援しよう。

【第2試合 東芝ブレイブルーパス対三洋電機ワイルドナイツ】
 ブレイブルーパスがリーグ2位。ワイルドナイツがリーグ首位。その勝ち点差は4。トップリーグは勝利で勝ち点4が与えられ、引き分けならば双方のチームに勝ち点2ずつ。それに加えて4トライ以上を取れば勝敗にかかわらず勝ち点1、敗戦でも7点差以内ならば勝ち点1。こういうルールで行われている。ブレイブルーパスが1位でシーズンを終えるためには4トライ以上奪い8点差以上を付けて勝利しなければならない。
 結果は62-13でブレイブルーパスの圧勝。ここまで無敗を守り続けていたワイルドナイツが陥落した。その差は10番の差で出た。
 ワイルドナイツにはブラウンという絶対的な司令塔がいるが、今季は試合中に脾臓が破裂してから戦列を離れている。一方のブレイブルーパスの10番はヒル。このヒルが元オールブラックスのCTB。このヒルのパスプレーとランプレーの選択が見事でブレイブルーパスは攻撃のリズムを全く損なわない。この日のワイルドナイツのSO入江順和とは決定的な差が出てしまった。本来のSOのブラウンは、スタンドオフではなく本物のフライハーフ。正確なキックを中心に試合を組み立て、守備面での貢献も抜群。代役の入江にそこまでのキック力はなく、本来のワイルドナイツの攻撃が組み立てられなかった。ヒルも元はCTBなので守備力はある。攻守両面で10番の差が出てしまった。
 それだけではこうも一方的な点差にはならない。ワイルドナイツ最大の武器はSH田中史朗に象徴されるオフサイドギリギリで飛び出す素早く粘り強い守備。それがことごとくブレイブルーパスに切り裂かれた。
 なぜか。ブレイブルーパスがヒルを中心にDFラインへトップスピードでコンタクトすることを徹底。それによって1mが3m、1人が2人を引きずりながら進み、球際に強くゲインしていく。それに加えてSHの吉田朋生が素早い球出しを徹底。それでワイルドナイツの守備対応を後手後手にさせて穴を広げてゆく。
 その結果がこの点差。WTBにブレイブルーパスはロアマヌ、ワイルドナイツは北川智規とお互いにジョーカーを持っていたが、ボールが入る回数の多いロアマヌが圧倒。逆転で今季トライ王を奪い取った。
 ブレイブルーパスの完璧なワイルドナイツ対策がはまった印象。ブラウンがいれば……とは当然ながら思うが、ヒルを加えた今季のブレイブルーパスはあらゆる面でワイルドナイツに引けを取らない。
 まだプレーオフのマイクロソフトカップと日本選手権が残っている。この2チームを中心に展開するだろうが、曲者清宮が率いるサントリーサンゴリアスとブレイブルーパスを唯一破った神戸製鋼コベルコスティーラーズも侮れない。残念なのは今季神戸の試合が一試合も観戦できてないのでどんなチームか正確に把握できていないこと。ブレイブルーパスに勝ってはいるが、下位相手に簡単な取りこぼしをしたりと安定感はない印象。さて、2月と3月に笑うのはどのチームだ。

 ラグビーの試合は望遠レンズを使用した写真の撮影が禁止されているので写真は無し。協会さん、なんでそんなに写真に対してだけ厳しいんスか?
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2009年01月11日

全日本国大学サッカー選手権大会男女決勝

・第1試合 女子決勝 日体大対早稲田大
 いろんな意味で新鮮。日体大のチャントが歌。8小節とかのよくありがちなチャントじゃなくて、AメロからBメロへ移行しサビまで歌う。選曲もスピッツのロビンソンとか嵐のLove so sweetを使う。こういう独自色が強いのは大好き。
 試合は2-0で日体大が勝利。3-5-2で中盤を制圧し、選手交代時の層の厚さで主導権を渡さなかった。
 なかでも日体大20番の有吉佐織が大車輪の活躍。前半7分に右からのCKをヘディングで叩き込み、後半29分に浮き球のスルーパスでゴールを演出。トップ下のポジションでドリブルで仕掛けてよし、ボールキープしてタメを作るもよし、積極的に飛び出してゴールを迫るもよし、パスを散らしてチャンスを演出するもよし、ラストパスを狙うもよし。とにかく日体大の好機にはすべからく彼女が絡んでいたといっても過言じゃない。
 それにセンターハーフの位置で君臨していた主将の池田浩子。筋肉で中盤を支配し、筋肉によって攻守を司るミスター日体大。最終的に疲れで運動量は落ちたけど、それ以上に早稲田の選手がプレーで関わり合いになりたくなくなってたように見えた。
 あと、日体大の選手で目に付いたのは木田麻衣子。右サイドハーフでスタートして、選手交代するたびにトップ下、FWとめまぐるしくポジション変更。それでいてどこへ入っても高いクオリティーでプレー。止める、蹴るって基本動作がしっかりしてたからだと思う。
 早稲田は、FW19番の大滝麻未の懐が深いボールを収めたプレーで好機を作りたかったが、日体大が上手く挟み込むDfの網にかけて阻止。というか大滝に対してだけ、明らかに警戒感の違う守備を敢行していた。それだけ自由にやらせると危険な選手なんだろう。純粋に試合を楽しむ立場としては、もうちょっとそういった場面も観たかった。



女の子らしいボール.JPG

ボールがピンク、かわゆす



スタンドと共に円陣.JPG

日体大は円陣のかけ声をスタンドと共に



有吉佐織.JPG

日体大20番の有吉、なでしこに呼んだりしないんだろうか?



池田浩子.JPG

日体大主将池田、ガチムチ系CH



木田麻衣子.JPG

日体大2番木田、こういう選手が居るとチームは本当に助かると思う



大滝麻未.JPG

早稲田19番大滝、もっとプレーが観たかった



・第2試合 男子決勝 筑波大対中央大
 関東大学リーグ得点ランク1位と2位の2トップを擁する筑波。中盤の速いパス回しと、人とボールが素早く動くハーフカウンターが得意な中央大学。中盤の主導権を握った方が勝つであろうという予想で観た。ただ、中央大は主将のDF山形雄介、正GKの小野博信、DFの山田佑介、センターハーフの永木亮太の4人が累積警告で出場停止。正直、山形と永木の欠場は相当いたい。一方の筑波大はほぼベストメンバー。左サイドバックの原田がいないが、代わりに右サイドバックの石神が帰ってきた。はっきりいっていままでの試合から判断するに、筑波大の攻守のバランスはセンターハーフの永芳卓磨がとっている。両サイドはドリブラー、もう一人のCHの古山賢人はボールキープと長短のパスで攻撃に変化を付ける選手で、守備に関して期待する選手じゃない。そういうわけで、中央大がパススピードを上げて永芳が振り切られてしまうようなら一方的な展開もある、というのが戦前の予想。筑波大も流経大を殴り倒してきたように自力はあるんだが、いかんせん中央大との相性がよくない。そこは、両チームにとって永木の不在がどこまで影響するか……。
 試合は筑波大が右45度の40mFKから中央大DFのオウンゴールを誘って先制。クリアしようとヘディングしたボールが完璧なループシュートになりゴールへ吸い込まれてしまった。ところがどっこい前半35分に左からのCKをニアで中央大FWの小池悠貴が後ろへ逸らしてFW新田圭が右足ボレーで押し込んで同点。さらに前半39分、ゴールやや右の位置でボールを受けた櫛引祐輔がボールを2タッチ後にコンパクトに右足を振り抜き、ゴール右隅を捉えて逆転に成功。後半15分に筑波大は木島悠がPKを得るも、自らPKを外して万事休す。そのまま試合は1-2で中央大がインカレを制覇した。
 案の定、永芳が振り回されてしまったせいで筑波大は敗戦。とはいえ、守備で目を回したんじゃないのが悔やまれる。誤算だったのは自チームの古山とFW西川優大の出来。古山が攻撃面で機能しないため、永芳がタイミングを見て相手の虚を突く飛び出しを敢行し、そこから中央大の守備を混乱させて攻撃のきっかけを作っていた。しかし、後半にはその飛び出しも読まれ、本来の仕事以上のことをしていた永芳はオーバーワークになり守備面でも精彩を欠いてしまった。こういうときは西川のポストプレーでボールを前線に収めて、木島のドリブルから相手DFを混乱に陥れ、西川か木島がそのまま決めてしまうのがパターン。だが、中央大のセンターバックコンビ、比嘉隼人と新井辰也が西川に全く自由を与えなかった。特に新井はお見事。主将山形の代役ながら完璧に仕事を遂行しきった。
 代役といえば、決勝ゴールの櫛引も代役以上の仕事をやってのけた。25mほどのミドルシュート、コンパクトな振り足とDFの間にほんのわずかボール2つ分くらいしかなかったコースを通して決めた。あんななかなかお目にかかることのできないシュートをこの大一番で決められる強さが勝敗を分けた気がする。



普通のサッカー応援席.JPG

中央大応援席、普通



WWE風味.JPG

筑波大応援席、WWE風の空気が漂うのは段ボールのボードのせいだと思う



新田圭.JPG

同点弾の中央大新田、まだ2年生



櫛引祐輔.JPG

値千金の決勝ゴール中央大櫛引、こちらもまだ3年生



西川号泣.JPG

試合後号泣の筑波大西川、悔しさは岐阜で晴らせ



中央大歓喜.JPG

歓喜爆発中央大、関東4位からの制覇はお見事
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2009年01月10日

第87回全国高校サッカー選手権大会準決勝

・第1試合 鹿児島城西対前橋育英
 鹿島アントラーズ入りが内定してる大迫勇也を中心にして、2トップとトップ下の3人にキープ力があるから、善戦にスムーズにボールが預けられると攻撃にリズムが生まれる。逆に中盤でモタモタしてると、相手にボールを奪われて一気に大ピンチになる。前橋育英は中盤の選手が非常によくて、六平光成を中心に細かいパス交換から中央突破を仕掛けてゴールへ迫る。
 結果はは5-3で鹿児島城西が勝利。前半に3失点した鹿児島城西は特長の攻撃だけだとマズいと思ったのか、4-3-1-2のフォーメーションを後半から4-4-2のボックス型に変更。細かいパス回しに翻弄されることはさほど変わらなかったが、枠へのシュート数を減らすこと守備に最後の粘りを生むことに成功。前橋育英のシュートまで人がついて行けるようになって決定的なチャンスは作らせなかった。もし、前橋育英にサイドバックの積極的な攻撃参加や、サイドをえぐってのチャンスメイクなど、サイドアタックって選択肢があったら結果は変わっていたかも。印象的に負けるときのアルゼンチン代表によく似てた。



ノリヲの系譜.JPG

日射しに角度がない季節の風物詩、ノリヲ様を彷彿とさせる白帽子



一人だけ個人段幕.JPG

さすがに大会目玉の大物ストライカー、一人だけ個人段幕有



・第2試合 広島皆実対鹿島学園
 残念ながら鹿島学園がどんなチームなのか分からなかった。言い方を変えれば、広島皆実が鹿島学園に全くサッカーをさせなかった。スコアは1-0で広島皆実の勝ち。だけど、その数字以上の広島皆実の圧勝。
 守備っていうのは、ゴールを許さない、ボールを奪う、突き詰めるとこの2要素に集約される。広島皆実はこの2要素に加えて、ボールを保持していれば点は奪われないということを徹底したチーム。チャンスがあればシュートで終わる、無理な攻めはしない、ボールを失わないことを最優先、攻撃を仕掛けるときはボールを奪われたときにすぐに奪い返せる体勢を作っておく。守備時にもDFの4人とMFの4人がキッチリと2ラインを作って丁寧にサボらずブロックを形成。パスコースとドリブルコースを限定して、相手のトラップミスやボールコントロールのミスを逃さずにボールをかっさらう。無駄なボディーコンタクトがないからファールの笛が極端に少ない。ゆえにセットプレーでチャンスを作らせない。これらのことが完璧に遂行された結果、鹿島学園はシュートを3本しか打つことができなかった。
 後半10分過ぎから鹿島学園の手詰まりを見て取るや、リスクを負った攻めの割合を増やして1点を奪うと、そこからは再び相手をいなし、翻弄し続けるかのようにボールを動かし続けて試合を畳んだ。鹿島学園が右サイドから切り崩し、シュートをネットに突き刺した場面もあったがオフサイドの判定。このときにDFとMFの選手が即座に集まり、ハドルを組んで問題点と修正点を確認。もはやこのチームには様式美すら感じる。
 絶対的なストライカーの不在、フィジカルに不安のあるチーム。同じ問題点を抱えるチームが、これほどまでに分かりやすい特長を持って結果の出せるサッカーを実践している。このサッカーは日本代表が目指す価値のあるスタイルだと思うのだがどうでしょう?



広島皆実のマスコット.JPG

試合開始前に広島皆実の応援席に何か来た



柏餅?.JPG

柏餅、か?



鹿島学園のマスコット.JPG

鹿島学園の応援席にも、気が付いたら何か居た



殿様?.JPG

殿様、か?



書類散乱.JPG

強風時の試合中には、カメラマンも気をつけていないとこうなる

posted by 坊主頭のユニコーン at 00:00| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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